前回の続きです。
治療に行き詰まりを感じていたとき、Aさんから職場の人が話を聞きたいと言っていると伝えられました。上司と保健師の方が来てくださるということでした。正直、治療が上手く行ってないため、会社の人にどう話せば良いのか不安になりました。しかし、私の気付いてない情報が得られるかもしれないと思いAさん同席でお会いすることにしました。
保健師さんは、Aさんの具合が悪そうなので休ませた方が良いのでは?と心配されていました。そこで、まず、私はこれまでの治療方針を説明し、休むことは解決にならないと考えているが、正直行き詰っていることを話しました。すると、上司の方が意外な反応をしてくれたのです。上司は私の意見に賛成で「何とか休まないで乗り越えた方がAのためになると感じていた。先生が話してくれたAの特徴は私自身気付いていた。ただ、そこから出てくる問題をどう解決するか具体的な対策を十分に立ててこなかった」と言ってくれたのです。解決策はあっけないことでした。Aさんと上司で相談の結果、「仕事が途中の段階でも、上司に相談してみる」ということが出来ない事に対して、「日報でその日の問題を報告する」という手段をとったのです。それだけ?と思われるかもしれませんが、これが予想外に上手く行き、以後Aさんは休むことがなくなりました。徐々に直接相談できることも増えて、3ヵ月後に、日報は週報になりました。
振り返ってみると、上司が問題を共有してくれて、一緒に解決策を考えてくれたことが、Aさんにとって「自分が困っていることを率直に相談することは、必ずしも自分を否定されることにつながらず、解決が得られることが多い」という好ましい認知の修正をもたらしたようです。