強迫性障害の治療は、薬物療法と行動療法が主です。

薬物療法としては、セロトニンという神経伝達物質を調節する薬が使われます。抗うつ薬として昔から使われていたクロミプラミンと、比較的新しい薬であるSSRIで、フルボキサミンやパロキセチンといった薬が有効です。強迫性障害では、うつ病よりも多量の薬を必要とすることがあります。クロミプラミンの効果は強いですが、古いタイプの抗うつ薬に共通して見られる口渇・便秘・立ちくらみなどの副作用が強く出てしまうことがあり、十分量まで増やしにくいことがあります。SSRIはのみ始めの吐き気、眠気などの副作用がありますが、比較的のみやすい薬です。どの薬物にも即効性はなく、十分量を十分な期間服用して効果を判定する必要があります。

行動療法の中心は暴露反応妨害法といい、強迫観念が惹起されるような刺激に暴露して、しかも、強迫行為を行わないようにするというものです。要するに、不潔恐怖なら汚いと思うものに触れてもらい(暴露)、しかも手洗いをしない(反応妨害)よう工夫をするのです。「わかっちゃいるけど止められない」のに「止められる」ようにするわけですから、患者さんは大変です。治療者との信頼関係や患者さん自身のヤル気が必要ですし、いろいろな工夫をするところに専門性があります。まず、患者さんにご自分の病気についてよく知ってもらうこと、なぜ暴露反応妨害が必要なのかを理解してもらうこと、ターゲットとなる症状を明確にすること、反応妨害のための様々な工夫をすることが大切です。
薬物療法と行動療法をうまく組み合わせると治療効果がもっとも上がるようです。